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イタリアンダイニングバー2

素に近い素材には模様があります。その模様はある一定のルールを保ちつつも同じ模様は2つとありません。それは2次、3次加工された建材との違いの一つです。そういった模様は本当に綺麗で、まさに神のデザインというべき美しさです。このダイニングでは出来るだけ素材の美しさを引き出すことを考えて、バランスの良い組み合わせを選ぶことにしました。
具体的には天井の木毛セメント板、壁のモルタル塗やシナベニア合板、床の既存モルタルノ上ウレタン塗装を仕上げとして選択しましたが、これらの材料は無垢の木や石、土といったいわゆる自然素材ではありません。それでもこの世に2つとない表情でなんとなく語りかけてくるのです。その表情のでき方には色んなパターンがあります。シナベニア合板の木目のように自然に由来するもの、モルタル塗りのように施工した日の気温や職人の癖に左右されるもの、木毛セメント板のように木毛とセメントの混ざり方や圧縮されるときの状態といった確率に起因するもの、今回の既存モルタル床のようにボンドの跡やひび割れなど過去の使われ方や煤の撒き方など偶然に出来る表情など、いくつかの分類分けはできるものの素材としてはよく似た性格があると思うのです。

  • 2013年11月25日(月)19時25分
イタリアンダイニングバーの内装デザインをしました1

 2階建てビルの2階ワンフロアの改装工事です。もともと飲食店であったこのフロアの床には長年の油と埃をベットリ吸い込んだタイルカーペットが敷いてありました。それを捲ると鮮やかなオレンジ色の長尺ビニルシートが現れ、さらにそれを捲るとモルタルの床面が出てきました。モルタルの表面は長尺シートを貼っていた糊の跡やひび割れなどで面白い模様が出来ていて、このテナントが持ち主を変えるたびに重なってきた履歴を感じさせるものでした。床の表情は面白いが、モルタルそのままだと飲食店としては衛生的に問題があるので、この状態をウレタン塗装で封じ込めることにしました。まず、凹凸がなくなるくらいまで表面をならし、段差があるくらいの大きなヒビを補修しました。次に透明のウレタンを一度塗ると、表面が一気に濡れ色になりヒビを補修した部分が浮き出てきました。このコントラストをなくし馴染ませるため煤をまき散らし、さらにウレタンを塗り重ねました。その後、乾いてはウレタンを塗るという作業を繰り返し、水で濡れているように見えたところで完成としました。元々のモルタルの不陸や煤の吸い込みの差がまるで陶器の焼きむらのように見えます。夜は裸電球の光がにじむように映り込みいい雰囲気です。

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元々のタイルカーペット

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長尺シート

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モルタル床

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ウレタン塗装1回目

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煤入りのウレタン塗装

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4、5回塗りのウレタン塗装

  • 2013年11月13日(水)20時12分

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