- イタリアンダイニングバーの内装デザインをしました1
2階建てビルの2階ワンフロアの改装工事です。もともと飲食店であったこのフロアの床には長年の油と埃をベットリ吸い込んだタイルカーペットが敷いてありました。それを捲ると鮮やかなオレンジ色の長尺ビニルシートが現れ、さらにそれを捲るとモルタルの床面が出てきました。モルタルの表面は長尺シートを貼っていた糊の跡やひび割れなどで面白い模様が出来ていて、このテナントが持ち主を変えるたびに重なってきた履歴を感じさせるものでした。床の表情は面白いが、モルタルそのままだと飲食店としては衛生的に問題があるので、この状態をウレタン塗装で封じ込めることにしました。まず、凹凸がなくなるくらいまで表面をならし、段差があるくらいの大きなヒビを補修しました。次に透明のウレタンを一度塗ると、表面が一気に濡れ色になりヒビを補修した部分が浮き出てきました。このコントラストをなくし馴染ませるため煤をまき散らし、さらにウレタンを塗り重ねました。その後、乾いてはウレタンを塗るという作業を繰り返し、水で濡れているように見えたところで完成としました。元々のモルタルの不陸や煤の吸い込みの差がまるで陶器の焼きむらのように見えます。夜は裸電球の光がにじむように映り込みいい雰囲気です。
- 2013年11月13日(水)20時12分