「小さな家」〜妥協しないスモールハウス

  • 限られた資金でも理想の家を実現させたいとすれば、やはり有効な方法は小さな敷地に小さな家を建てることです。小さくても、さまざまな工夫で限られた空間を有効に活用すれば、理想の家を建てることは十分可能なのです。では、どうすれば限られた敷地で理想の家を建てることができるのでしょうか。それにはまず、お施主様自身がご自分やご家族と真剣に向き合うことが必要です。自分が本当に望んでいる空間とはどんなものかを突きつめ、そこで出た答えに妥協をしない家を実現することで、小さくて簡素でも機知に富んだ空間や生活を手に入れられるのです。ここでは、実際の10坪の敷地に地上3階、地下1階の住宅を建てるシュミレーションをしながら、どのように考えれば本当に必要な空間を実現できるのかをご案内します。  

行為で考える

  • 間取りや広さをN+LDK、何㎡といった従来の部屋という基準で考えるのではなく、実際の空間での行為を基にして、必要なスペースを決めていきます。例えば、ダイニングや書斎ではなく、ご飯を食べる場所、本を読む場所と考えることによって既成概念にとらわれない本当に必要なスペースや条件が見えてくるのです。

面積でなく体積で考える

  • 広さの感覚は面積ではなく、体積で捉えます。上下のつながりや視線の抜け、光の入り方などで体感する広さは変わります。各室の仕切りも壁や扉だけでなく、床の高さを変えたり(目線を変える)、スキップフロアにすると壁が無くても空間の質を変えたり、必要なプライバシーを確保できたりするのです。

外部を内部に取り込む

  • テラス・土間など外部空間を取りこんだ内外のあいまい空間を設けると、 内部空間が外へつながっている感覚になり広がりを感じます。又、隣地 との距離が近すぎて大きな窓を開けることが出来ない場合に中庭を作り、 光を取り入れることは有効です。又、右のシュミレーションのように容積率の緩和として地下室を作り、ドライエリア(からほり)を設けて、風や光をとりいれる工夫をします。

階段を空間に取りこむ

  • 「小さな家」では階段を壁で区切らず、上下の空間をつなげる動線として大きな室の中に取りこみ、空間を広くとることで圧迫感をとり除きます。また、室と室の中間に階段を設置して、階段自体を空間の干渉帯とすることもあります。

空間を兼ねる

  • 例えば玄関と作業スペースを兼ねたり、階段や通路に書棚を配置したり、勉強スペースをリビングに設けて子供室を小さくしたり、空間の機能をいくつか兼ねることでスペースの効率化を図ります。

狭さを感じさせない回遊性

  • 行き止まりをつくらないことで空間に回遊性をつくり、小さくても子供が走り回れたり、狭さを感じにくくさせることができます。回遊できるようにすることは家事動線としても重要です。空間のストレスを取り除けば、小さくても見違えるほど快適性は向上するのです。
敷地面積 35.28㎡(10.67T)
建築面積 20.58㎡(6.23T)/58.33%
延床面積(容積率) 66.81㎡(20.21T)/189.37%
地下1階床面積 23.46㎡(7.10T)<6.76㎡>
1階床面積 20.58㎡(6.23T)
2階床面積 18.89㎡(5.71)
3階床面積 20.58㎡(6.23T)
延床面積 83.51㎡(25.26T)

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