- monocoto
私たちはこのホームページのトップにもあるように設計部門と施工部門を分けてい
ます。その設計部門の名称をmonocoto(モノコト)と名付けております。
今回はこのmonocotoの由来をご紹介いたします。
私たちのしごとはたてものをデザイン(設計)することです。たてものをデザインする
というと色や形といった見た目のことを指すように思われますが、本来は構想、計画、
設計といった大きな意味を含んでいます。私たちは形として現れる「モノ」に「コト」を
容れ込むプロセスをデザインと考えます。ここでいう「コト」とは哲学や生活、文化、物
語など目には見えない事象を言います。「コト」が含まれていないモノは単なる物質で
あり、使う人を楽しませたり、驚かせたりして心を動かすことはできないと考えます。私
たちはいろいろな「コト」を「モノ」に託して使う人にお届けすることを約束します。言
い換えれば、使う人がいて初めて私たちの作り出すモノは意味をもつのだと思ってい
ます。たとえば私たちの事務所のデザインも「モノとコト」について考えながらデザイン
されています。新しい事務所のスタートです。改装費を抑え、しかし面白いものを造り
たい。「費用を抑えながら、面白いものを造る」この矛盾こそがいろいろなアイデアを
生み出す原動力になるのです。どんな事務所スペースにしようかと考えはじめてから
決定するまでのプロセスは大体こんな感じです。
「遅くまでしごとをするので床は暖かいほうがいいな。」
「じゃあ無垢の木材にしよう。」
「無垢の木材は高いのでは?」
「では杉の足場板(高いところで作業をする際に使用される桟となる板材)を使おう」
「それでも高いよ。」
「それなら使用済みの足場板ならどうだろう。」
「うん。値段はなんとかなりそうだ。でも、ペンキやセメントがこびりついてるぞ。」
「落とさないほうが、面白いデザインになりそうだ。長年、どんな現場で使われてきた
のか想像するだけで楽しくならないか。」「足場は職人さんの命を守り、いろんな工事の始まりを意味するから、新しい事務所の
床にピッタリじゃないか。」「足場板たちも第2の人生で事務所の床になるとは思っていなかっただろうね。」
といったように「安く、温かく、楽しく、誇りを持てて、社会貢献?ができる」といっ
たたくさんの「コト」の詰まった「モノ」が出来ました。
事務所名である「モノコト(monocoto)」にはそんな私たちの思いが込められています。
- 2013年02月20日(水)16時24分