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待合室のマド

クリニックの待合室にはできるだけ大きな開口部を設けて、明るい光を入れたい。この開口部(窓)は2つの相反する要素を同時に実現する必要があります。一つは外から見る人がクリニック全体に対して安心感を持ってもらうための透明性。もう一つは待合室にいる患者さんのプライバシーを守るバリアとしての性質です。待合室は患者さんが一番長くいる場所なので自然光をたくさん採り入れて願わくば良い景色を眺めていただきたいといつも思うのです。現実的には上の2つの要素を実現させるために、窓ガラスにすりガラス調のフィルムを貼ることが多いのです。場合によっては人の目線より上は透明のままに残し、少しでも空が見えるように工夫しています。それでもせっかくの大きな透明ガラスにフィルムを貼ってしまうのはもったいないと歯がゆい思いをしております。

 守山の皮フ科クリニックでは待合室の壁面の1.6m外側に孔の開いたブロックの囲いを施すことにより、待合室の窓ガラスが透明のままでもプライバシー性を確保することが出来ました。さらにここではブロックの囲いの内側に小さな庭園を計画しました。計画当初は奥行1.6m、幅8mの小さな空間にお施主さんがもともとお持ちであった庭園石をバランスよく配置して俯瞰したときに地形のミニチアをイメージできるものをと考えておりました。ところが庭師さんの提案で庭だけで空間を完結させることはやめて、待合室の延長が庭と考えようということになりました。そこで庭の奥行いっぱいの大きな石を配置し、待合室のスケール感と庭のスケール感を同じにすることで待合と庭に連続性を持たせることが出来たと思います。待合室から感じる緑が少しでも患者さんをリラックスさせてくれることを願います。

  • 2014年04月10日(木)12時00分

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