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新都建設㈱新社屋が上棟をしました。

11月5日~8日の4日間を掛けまして、新都建設㈱新社屋が上棟をしました。これから来年2月竣工に向けて工事を進めて参ります。
また、新社屋の完成に伴い、スタッフ(建築士・現場監督)の増員募集もしております。

  • 2020年11月08日(日)23時31分
待合室のマド

クリニックの待合室にはできるだけ大きな開口部を設けて、明るい光を入れたい。この開口部(窓)は2つの相反する要素を同時に実現する必要があります。一つは外から見る人がクリニック全体に対して安心感を持ってもらうための透明性。もう一つは待合室にいる患者さんのプライバシーを守るバリアとしての性質です。待合室は患者さんが一番長くいる場所なので自然光をたくさん採り入れて願わくば良い景色を眺めていただきたいといつも思うのです。現実的には上の2つの要素を実現させるために、窓ガラスにすりガラス調のフィルムを貼ることが多いのです。場合によっては人の目線より上は透明のままに残し、少しでも空が見えるように工夫しています。それでもせっかくの大きな透明ガラスにフィルムを貼ってしまうのはもったいないと歯がゆい思いをしております。

 守山の皮フ科クリニックでは待合室の壁面の1.6m外側に孔の開いたブロックの囲いを施すことにより、待合室の窓ガラスが透明のままでもプライバシー性を確保することが出来ました。さらにここではブロックの囲いの内側に小さな庭園を計画しました。計画当初は奥行1.6m、幅8mの小さな空間にお施主さんがもともとお持ちであった庭園石をバランスよく配置して俯瞰したときに地形のミニチアをイメージできるものをと考えておりました。ところが庭師さんの提案で庭だけで空間を完結させることはやめて、待合室の延長が庭と考えようということになりました。そこで庭の奥行いっぱいの大きな石を配置し、待合室のスケール感と庭のスケール感を同じにすることで待合と庭に連続性を持たせることが出来たと思います。待合室から感じる緑が少しでも患者さんをリラックスさせてくれることを願います。

  • 2014年04月10日(木)12時00分
今熊野の家

築50年以上の木造2階建て住宅を改装させていただきました。160㎡ほどの床面積の大部分の壁を漆喰塗り、約90㎡の床を無垢フローリングに張り替えました。工事は若干残っているのですが、先日引っ越しを終えお住まいになっておられます。
引っ越しに先立ちフローリングのワックス掛けをお施主様とそのお友達と私で行いました。今回使用したのは蜜蝋ワックス。その名の通りミツバチが巣を固める際に分泌する成分と亜麻仁油などの植物油を原料としたワックスです。効果としては、「表面保護」「撥水性付加」「艶出し」です。フローリングは杉の無垢板です。杉は柔らかくて表面の温度が暖かくて座る文化のある日本には向いている素材だと思います。その分どうしてもよごれ、キズが着きやすいし、水分を吸収しやすい素材です。そこでメンテナンスが必要になってくるのです。無垢材はメンテナンスしないといけないから大変という意見もよく聞くのですが、逆に言うとメンテナンス出来る素材なのです。しかも、素人が簡単にできるというのがミソです。合板フローリングはあらかじめメーカー仕様のコーティング塗装がされており、表面の化粧材がわずか0.3mmくらいなので、蜜蝋ワックスやその他の自然塗料のように浸透させるものは不可能です。そこで、表面をコーティングする樹脂系のワックスを塗布することになるのですが、きれいに塗ることは結構難しいのです。もっとも10年くらいはメンテナンスしなくてもきれいな状態がつづくというのが、合板フローリングの良いところです。ただしそれ以降は劣化する一方で、メンテナンスはできないでしょう。寿命は10~20年くらいと言われています。これに対してメンテナンスが出来る無垢フローリングの寿命は40~50年以上です。そのメンテナンスも健康に害がない素材で、驚くほど簡単で、誰がやってもあまり差がないということを最初に知っていてほしいと思うのです。だから、無垢材や漆喰などを使うときにはできるだけお施主様と一緒に仕上げをするようにしています。そして愛着をもってほしいと思います。それが住まうという文化だと思うのです。  
ワックス掛けは5人で丸一日掛かりましたが、楽しくやっていただけたと思います。みなさま、お疲れさまでした。

  • 2014年03月13日(木)10時54分
イタリアンダイニングバー3

イタリアンダイニングではテーブルや椅子などのデザインもしております。
このテーブルは「巾はぎ」という手法を使っています。これは無垢の木から一枚板が寸法的に取れない場合や一枚板が高額な場合に適当な幅の板を繋いで一枚板を作る手法です。ふつうは同じ木の種類を使うのに対して、これは違う木を繋いでいます。わざわざ材木を仕入れて作るのではなく、もともと木工所に余っていた木を使ってもらったのです。過去に色々な家具を作った切れ端は高価なので捨てるのはもったいない、かといって使い道もないのでたくさん貯まっていたようです。このテーブルを15台作るのに20種類ほどの材種をランダムに使用しています。材にもよりますが、ほとんどがかなり高価な材を使っていますが、ローコストで良いものができました。また、このダイニングは少人数のお客さんから結婚式の2次会まで様々な用途で利用してもらえるように、普段は2人掛けのテーブルをつなげて4人掛け、8人掛けといくらつなげてもつなぎ目が分からないので、一枚のテーブルに見えるようになっています。

  • 2013年12月13日(金)23時25分
イタリアンダイニングバー2

素に近い素材には模様があります。その模様はある一定のルールを保ちつつも同じ模様は2つとありません。それは2次、3次加工された建材との違いの一つです。そういった模様は本当に綺麗で、まさに神のデザインというべき美しさです。このダイニングでは出来るだけ素材の美しさを引き出すことを考えて、バランスの良い組み合わせを選ぶことにしました。
具体的には天井の木毛セメント板、壁のモルタル塗やシナベニア合板、床の既存モルタルノ上ウレタン塗装を仕上げとして選択しましたが、これらの材料は無垢の木や石、土といったいわゆる自然素材ではありません。それでもこの世に2つとない表情でなんとなく語りかけてくるのです。その表情のでき方には色んなパターンがあります。シナベニア合板の木目のように自然に由来するもの、モルタル塗りのように施工した日の気温や職人の癖に左右されるもの、木毛セメント板のように木毛とセメントの混ざり方や圧縮されるときの状態といった確率に起因するもの、今回の既存モルタル床のようにボンドの跡やひび割れなど過去の使われ方や煤の撒き方など偶然に出来る表情など、いくつかの分類分けはできるものの素材としてはよく似た性格があると思うのです。

  • 2013年11月25日(月)19時25分
イタリアンダイニングバーの内装デザインをしました1

 2階建てビルの2階ワンフロアの改装工事です。もともと飲食店であったこのフロアの床には長年の油と埃をベットリ吸い込んだタイルカーペットが敷いてありました。それを捲ると鮮やかなオレンジ色の長尺ビニルシートが現れ、さらにそれを捲るとモルタルの床面が出てきました。モルタルの表面は長尺シートを貼っていた糊の跡やひび割れなどで面白い模様が出来ていて、このテナントが持ち主を変えるたびに重なってきた履歴を感じさせるものでした。床の表情は面白いが、モルタルそのままだと飲食店としては衛生的に問題があるので、この状態をウレタン塗装で封じ込めることにしました。まず、凹凸がなくなるくらいまで表面をならし、段差があるくらいの大きなヒビを補修しました。次に透明のウレタンを一度塗ると、表面が一気に濡れ色になりヒビを補修した部分が浮き出てきました。このコントラストをなくし馴染ませるため煤をまき散らし、さらにウレタンを塗り重ねました。その後、乾いてはウレタンを塗るという作業を繰り返し、水で濡れているように見えたところで完成としました。元々のモルタルの不陸や煤の吸い込みの差がまるで陶器の焼きむらのように見えます。夜は裸電球の光がにじむように映り込みいい雰囲気です。

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元々のタイルカーペット

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長尺シート

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モルタル床

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ウレタン塗装1回目

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煤入りのウレタン塗装

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4、5回塗りのウレタン塗装

  • 2013年11月13日(水)20時12分
栄3・4丁目集会所

栄3・4丁目集会所の内装です。
 
 多くの人々が長く地域のシンボルとして利用する建物なので、皆さんが誇りを持てるよう、出来るだけそのものの持つ素材感を大切にした内装とすることを心掛けました。
 現代の仕上に使用される建材は〇〇調といった〇〇に似せた全く別の素材であることが多い。たとえばフローリングに似せた塩化ビニルタイルといった具合です。もちろん、これはフローリングの意匠性を持たせて、メンテナンス性の悪さといった短所をカバーする優れた製品ですが、地域集会所の床としては少しさみしい。
 そこで床にはコルクタイルを採用しました。コルクタイルは天然素材で、人体にやさしく、耐久性や暖かさなど、求められる機能にピッタリだと考えました。
 また、壁は有孔ラワン合板としました。有孔合板とはベニヤ合板に小さな孔が無数に開けられたものです。吸音性能があるので音楽室や体育館の壁に採用されています。時々、カラオケをされると聞いたので候補にあげました。また、建替前の集会所にたくさんの賞状が掲げられているのをみて、有孔合板の孔を利用して賞状を掛けられるのではと考えました。
 集会所のフレキシブル性をあげるために、大きな収納と大開口建具を設けています。建具の面材はラワン合板としています。ラワン合板はもっとも普及している合板で下地材、構造材として使われています。表面が赤かったり黒かったりと安定性がなく、あまり綺麗ではないとういことで、仕上げ材として使われることは少ない。この集会所では少しでもコストを下げること、素材の特徴を活かすことを考えたので、思い切って決めました。思った以上に素晴らしい木目が浮き出てくれて空間全体が引き締まりました。

  • 2013年10月17日(木)21時45分
宇治川の信号機に想う2

 宇治川の信号を見ていると昨年の11月に山口晃氏の展覧会を思い出しました。山口さんは大和絵や浮世絵の世界に現代の超高層ビルを建てたりを、戦国武将を馬型のバイクに跨らせてみたりといった自由な発想を繊細で密度の濃いタッチで描くことで知られる現代美術家です。
その展覧会の中でおそらく電信柱が江戸時代にあったらという設定で「柱華道」と題して、電信柱のしつらえ(デザイン)について説明する指南画のような作品があります。この作品は大真面目に「電信柱」を華道や茶道の域まで昇華させているところに思わず吹き出してしまうようなユーモアが込められています。「柱華道」という設定(ルール)をつくることでアイデアが次々と出てくる様子が浮かび、作者が心から楽しんでいることをうかがうことが出来ます。一般的に優れたデザインはこの「ルールづくり」がうまくいっているのだと思います。色や形、素材ではなく、それを導くためのルールづくりにこそセンスを求められているのです。
 話は逸れますが、最近のお笑いを見ていても、設定が上手に練られているものが、ウケているように思います。設定が分かりやすいと、覚えてしまうと誰でもマネが出来るので、どんどん伝染して流行るのでしょう。ですが、もともとの「ルールづくり」は誰にでもマネできるようなものではありません。お笑い芸人でない人がこれをやろうとすると、だいたいはすべって怪我をするでしょう。
 デザインも同じだと思います。色や形を決めることは比較的誰でも出来るのですが、ただ闇雲に個人の好みで決めても、出来上がりはバラバラになってしまいがちです。当然、まずコンセプトがなければいけませんが、そのコンセプトを具現化する過程に、このルールづくりがあり、これこそが、そのモノの個性になるのではないかと考えております。
 宇治橋の信号機を想いながら改めてそのように感じました。
DSCF2561 柱華道2

柱華道1 柱華道3

  • 2013年08月01日(木)15時20分
宇治川の信号機に想う1

 先日、宇治の現場の帰り道、宇治橋にさしかかった際にふと心地よさを感じました。心地よさの訳は宇治川周辺に設置された信号機のデザインでした。そのデザインが何に起因したものかは分かりませんでしたが、宇治川の景観に配慮したものになっています。最大の特徴は普通の信号が柱から伸びた腕木そのものに赤青黄色の信号機が取りついているのに対して、この信号はその腕木から信号機を吊るすように取り付けてあり、これによって視覚的に独立性を得た腕木をデザインしている点です。さらに一本の柱から歩行者用と自動車用の信号機が出ており、その方向と高さがそれぞれ違うことを利用したデザインになっているところが、面白いのです。重力をデザインすると言えばよいのか?自動車用の信号機が大きくて上のほうについているので、ふつうは不安定に感じるはずです。(おそらくは無意識に)それを下の歩行者用の信号機が視覚的に調整しているのです。具体的には、腕木を大きく伸ばしたりして気持ちのいいバランスを見つけているのです。その信号を複数同時に視界に入れた時の見え方もいいのです。なんとなく宇治川の合戦をイメージしてしまいます。信号は基本的に空を背に見ることになりますので、シルエットがより強調されてイマジネーションを助長するようです。

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普通の信号↓
sinngou 

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  • 2013年07月17日(水)16時22分
一輪挿し

事務所のお手洗いに行く通路の突き当りに一輪挿しを施している。フックに試験管を掛けただけの簡単な作りの一輪挿しを壁の真ん中に贅沢に配置している。天井・壁を真っ白に塗っただけの一見、殺伐とした空間の質を、たった一輪の植物が変えてくれている。不思議なもので空間全体が一輪挿しのための余白に見えてくる。この小さなしつらえが、たくさんの役割を果たしてくれている。お手洗いの位置を示すサインとして、浄化装置として、季節を切りとった絵画として…。いずれもお客様を迎え入れる姿勢を表す大事なモノと思っている。いつも、水や花をかえてくれている、武部さんありがとうございます。

  • 2012年03月09日(金)18時33分

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